2016年5月
アート、雑貨、スイーツ・・・美術館を遊び尽くす
(周辺スポット・山口サビエル記念聖堂の記事はこちら。)
■イマドキの美術館はお楽しみいろいろ
さて、亀山公園の遊歩道を下って山口県立美術館に到着〜!!
山口県立美術館は雪舟と雲谷派、香月泰男など山口県ゆかりの作家の作品を所蔵、またアート好きをうならせる特別展を開く企画力にも定評あり。
館内にはミュージアムショップと中庭を臨むオープン・カフェもあって、美術鑑賞プラスアルファのお楽しみも。
ミュージアムショップをのぞいてみると、館オリジナルの雪舟の絵入り一筆せんや東京の有名文具店のレターセット、モダンな懐紙などお洒落なセレクトショップも顔負けの気のきいた品がズラリ。山口県産の和紙や山口在住のクラフト作家の小物など、山口ならではの品もあり目移り必至のラインナップ。
特別展期間中は絵ハガキや複製画、メモ帳、書籍などその関連アイテムもずらりと並ぶそう。お土産にしてもいいし、自分への山口の記念品でも。
さて、オープン・カフェ「ラ プリュム ブルー」でゆっくりとティータイムを楽しみましょうか。
ケーキや焼き菓子で人気の市内の洋菓子店が出店されているとのことで、ショーケースの中はどれも美味しそう。
ここでのおすすめを伺ってみると、ランチやイベントデセールだそう。イベントデセールって??
開催中の特別展の内容にあわせてパティシエが考案したスペシャルなデザートのコトですって。期間限定メニューだそうなので、出会えたらぜひ。<狐>が訪れた時は「英国の夢」展にあわせた、イギリスの伝統的なデザート「イートンメス」でした。明るい光が降りオープンカフェでいただくスペシャルデザートは格別。次の特別展の時はどんなオリジナルデサートが出るのかな? とっても楽しみ。
そうそう。カフェと展示室のあいだにある出入口から中庭に出ることができるんです。芝生の上のアーティスティックな彫刻群も、ぐっとそばに寄って間近に見れちゃいます。中庭を縁取るように植えられた木々は背後の亀山の緑とあわせて「県美の森」と呼ばれいるそう。「春にはお花見が楽しめるんです」と美術館のスタッフさんから穴場情報をゲット。
お茶を飲んでほっとひと息ついたので、開催中の特別展の鑑賞にまいりましょう。
最後にちょっとお得情報を。山口県立美術館では、萩市にある山口県立萩美術館・浦上記念館と共通で特別展が3回まで無料になったり図録を割引価格で購入できたりするメンバーズクラブを設けているそう。ご興味のある方は山口県立美術館のHPへ。
ミュージアムショップとカフェは入館料なしで利用できます。まち歩きの途中に気軽に立ち寄ってみるものいいかもです。
■まるごと公園のような快適エリア
展覧会プラスアルファを満喫した県立美術館を出ると、目の前は日本の道・百選にも選ばれたパークロード。四季折々に美しい姿をみせる並木道は、山口の自慢のひとつです。そのパークロードを地下道で横断して一の坂川方面に向かいましょう。
地下道を抜け、地上にあがるとそこは山口県立山口図書館やテニスコート、公園のあるエリア。
湯田温泉に戻るバスに乗るには、亀山公園ふれあい広場を抜けて、一の坂川交通交流公場へ。広場の右端には道に沿って香りのよい木々が植えられている「香りの森」の遊歩道もあり気持ちよく歩けますよ。
このあたり一の坂川交通交流公場から一の坂川にかけてエリアでは、冬には「12月、山口市はクリスマス市になる。」と銘打ったイベントが行われ、一帯がイルミネーションで彩られます。
ここまで来たら、「西京橋」バス停はすぐ目の前。バスに乗車して10分弱で湯田温泉まで帰りつきます。
まだまだまち歩きを楽しみたいなぁ、という時は、一の坂川沿いに大殿界隈をぶらぶら歩いて散策するもよし、クリエイティブスペース赤れんがでレンタサイクルを借りてまち巡りをするもよし、です。
日本のクリスマスは山口から 〜山口サビエル記念聖堂〜
■五重塔や雪舟だけじゃない!大内文化には西洋の香りも
西洋の香りがする大内文化ゆかりのスポット、それは山口市役所近くにあります。日本にキリスト教をもたらした宣教師・フランシスコ・ザビエルゆかりの教会、山口サビエル記念聖堂です。
実は、日本ではじめてクリスマスが祝われたのはここ山口なんです(その理由は・・・こちら →「12月、山口市はクリスマス市になる。」)
さて、湯田温泉からバスに乗って数分。「白石」のバス停で下車します。山口サビエル記念聖堂が建つのは目の前にある小さな山「亀山」の中腹です。さぁ、徒歩で坂道をのぼっていきましょう。天使幼稚園の園舎を過ぎたら聖堂に到着です。
2本の塔を持つ白い教会はモダンなデザイン。右側の鐘塔には9つの鐘が取りつけられていて、この界隈に暮らす人々は日々の暮らしの中で時計がわりに美しい鐘の音を聽いています。
気持ちばかりの献金をしてマリア像の前を通って静かな堂内に入ると、祭壇やステンドグラスに目を奪われます。
ここは祈りのための空間。毎週日曜日にはミサが行われているそうです。振り向くと高いところにパイプオルガンが見えます。ここではほぼ毎月、「オルガンメディテーション」が開かれています。次回はいつ? 興味のある方は、「山口カトリック教会」のHPで要チェックです。
記念聖堂の1階はクリスチャン記念館。聖堂入り口で拝観料を納めて階段を下ります。ここには、フランシスコ・サビエルやキリスト教関連の資料がいろいろ展示されています。美しい祭具やスペインから贈られたステンドグラスなど、見ごたえもあり。
「サビエル自筆の手紙」もあるんですが、これはぜひ足を運んでご覧くださいね。1991年に焼失してしまった旧聖堂の様子も映像で見ることができますよ。
今回、狐は撮影許可をいただきましたが、クリスチャン記念館内は通常は撮影禁止です。マナーを守って拝観しましょうね。
聖堂の外、向かって左側の坂の下には「ルルドの園」といって岩陰にマリア像が安置してあるところがあります。やさしいきれいなお顔立ちの像ですよ。
■亀山に上がってみよう
さて、山口サビエル記念聖堂と広場をはさんで向かいにある階段。上がるとどんな景色が見えるのかな? 上がってみましょう。ふりむけば、正面に聖堂が。こうして上から見ると前庭の芝生に白い教会が映えて、一層素敵ですね。
さらに階段を上っていくと、そこは亀山公園山頂広場。毛利敬親公の騎馬像があたりを見渡しています。
公園の一角、「うら道」という道しるべから続く遊歩道は亀山の中腹をぐるりと回っています。この遊歩道をパクロード方面(近道)に下りていくと、山口県立美術館の近くに出ることができます。
この遊歩道、ちょっとアップダウンもあり、ウォーキング好きには格好のコースに違いない。但し、この道を行く場合は、「歩きやすい靴で」が正解。
この続き、遊歩道を降りていった先にある山口県立美術館ご紹介編は、こちら。
山口観光の定番・国宝 瑠璃光寺五重塔周辺を じっくりウォッチ!
■山口観光といえば、ここはマストでしょう!
ということで、まずはアクセスのご紹介から。
●ルート①(湯田温泉→瑠璃光寺五重塔)
湯田温泉から瑠璃光五重塔へは本数の多いバス便が便利。湯田温泉のバス停1番、もしくは3番から乗車。約10分で県庁前バス停に到着しますので、県庁前で降車。瑠璃光寺五重塔は、そこから歩いて10分ほどです。
●ルート②(新山口駅→瑠璃光寺五重塔)
新幹線で山口へお越しの方などは、新山口駅でJR山口線に乗り換え。約25分の乗車で山口駅に到着。山口駅前からは、バス停4番乗り場の黄色のコミュニティバス(大内ルート)に乗車。「香山公園五重塔前」でバスを降りれば、塔はすぐ目の前です。なお、現在、JR新山口駅の観光案内所では、手荷物を預けると湯田温泉の旅館・ホテルまで無料で運んでもらえるサービスを実施中。詳しくは、「手ぶら観光サービス」で紹介しています。
さて、バスを降りて門を入るとすぐに 国宝・瑠璃光寺五重塔 の全景が目に飛び込んできます。池の向こうにすっと立つ姿の何と美しいことか!
早速ここで撮影! 撮影ポイントの定番、池の手前からまず1枚。水面に映る塔や植え込みも意識しなくちゃ。
■山口の宝! 国宝 瑠璃光寺五重塔
日本三名塔の一つにも数えられる素敵なプロポーションです。サクラ、ツツジやアジサイ、夏の緑、紅葉、冬枯れ、雪景色…どの季節でも絵になります。
夜間は毎日ライトアップされていてまた幻想的なんですよー。夜の見学もオススメ。
さて、では散歩に戻って・・・池のそばを歩いて塔に近づいてみましょう。また違ったアングルで塔を眺めることができますよ。
塔の真下にある石碑には、かの司馬遼太郎先生の『街道をゆく 長州路』から「長州は、いい塔を持っている」の一節が刻まれています。なるほどね~、ほんとにいい塔だと思います。
■いろいろなアングルで五重塔を楽しもう
司馬先生の石碑の脇には、塔の裏山へ遊歩道が。上っていくと・・・、五重塔の背中側に出ました。
この位置からだと、塔の屋根部分を目の高さに見ることができます。これはちょっと意外な眺め。一見の価値あり!ですよ。
さて、遊歩道を下りて再び塔の真下まで来たら、今度は細部に注目。木組みの美しさに感動。室町時代に造られて約570年の年月を経てきた国宝をこんな間近に見ることができるなんて。なんだかしみじみウレシイ。
五重塔の見学を終えたら、瑠璃光寺へ。「保寧山」と扁額のかかった中門をくぐって本堂前に進みましょう。
瑠璃光寺は曹洞宗のお寺で、大内氏の家老だった陶弘房の菩提寺です。ふと見ると大きな数珠が。天井についた滑車にかかっていて、ゆっくりたぐって祈るんですって。参道両側の池には初夏になると清らかなハスの花がたくさん咲くそうです。
ご朱印をお願いした受付に瑠璃光寺五重塔と焼き印されたおせんべいが。ほかでは手に入らない参拝記念です!
中門脇には茶店があります。メニューはお抹茶、あめ湯(夏は冷やしあめ)、甘酒、ぜんざいなど。五重塔を眺めながら一服しましょ。
■瑠璃光寺五重塔がある香山公園は緑の中の散策コース
一服を終えて、再び香山公園散策へ。公園内歩きながら振り返るといつも五重塔が見えます。どの角度から見てもいいなあ。
さて、香山公園内には幕末、薩長の藩士たちが会合をした枕流亭や藩主・毛利敬親が家来たちと語らった露山堂が移築されていて、このあたりはちょっと明治維新の雰囲気。毛利家の墓所もあります。
墓所の前の石畳は「うぐいす張り」と呼ばれています。手を叩いたり強く足踏みをしたりすると反響するんです。やってみて。
■昨今話題のマル住職にお目通りを願う!
香山公園の西の端は洞春寺。小ぶりでシンプルな山門は室町時代のもので、さりげなく立っているけど国の重要文化財。
この参道を進んで行くと白いマル住職が出迎えてくれます。…「危犬 かみつきます」って本当? 住職さんに伺ってみました。
「はい、本当です。不用意に近づいたり、手をだしたりしないでくださいね」と。
マル住職へのお目通りは、皆さん、くれぐれも遠くからお願いします。
さて、臨済宗のお寺であるここ洞春寺では毎週土曜日の夜7時から、誰でも参加できる座禅会が開かれているそうです。行ってみようかな?!
■あこがれの大正ロマンの時代へタイムスリップ?
洞春寺山門のすぐ近くから山口県庁、そして「県庁前」バス停にへ抜ける近道があるというのは知る人ぞ知る情報。知事公舎跡地が遊歩道として昼間開放されているんです。
竹の葉がさらさらいう音を聞きながら5~6分も歩けば大正時代に建てられた和洋折衷のロマンチックな雰囲気の建物、山口県政資料館(旧県庁舎及び県会議事堂)に到着。国の重要文化財の指定を受けていて、大正ロマンが香る建物は映画のロケにも使われました。
隣りの旧県会議事堂と併せて見学したら、藩庁門前でも写真を撮って。
山口が誇る大内文化と維新の息吹。歴史にそんなに詳しくなくても見るだけでも贅沢に楽しめるルートです。
さて、これからどうしましょ。「県庁前」からバスに乗って湯田温泉まで帰ろうかな。それとも山口市菜香亭まで歩いて、レンタサイクルを借りて大殿界隈を巡りましょうか。