2016年8月
西の京 山口 歴史香る街並み巡り(その2)
大殿大路〜一の坂川散策 編
(その1 天花〜竪小路編 はこちら)
■若い感性が光を放つ大殿大路
龍福寺の表参道から大殿大路へ、昔の町屋を改修した「大路ロビー」で観光情報をたずねましょう。最近、個性的なお店があちこちにできている大殿界隈。お店情報は常駐のスタッフさんが丁寧に教えてくださいます。
ここ「大路ロビー」では、志士気分になれる「維新deコスプレ」も体験できます。久坂玄瑞と高杉晋作をイメージした衣装が用意されていて、服の上から着ることができるのでお手軽。玄瑞もしくは晋作になって街を闊歩してみるのも一興です。
大路ロビーのお隣は若い家具職人さん2人のアンテナショップ「LBファニチャーワークス」。工房は別の場所にあり、ここのお店は週末だけのオープン。
店内には、イスやテーブルといった家具からトレー、キーホルダー、コースターなど小物までいろいろな商品が。
LBさんのお向かいは着物リメイクを中心に1点もののお洋服を扱う「アトリエa.p.r」。LBさんとa.p.rさん、どちらもオリジナル性が高く、オーダーもOK。作り手の思いが感じられる、世界にひとつだけのものを手に入れるって贅沢でオシャレだと思いませんか?
a.p.rさんには、ジャパニーズ・モダンなデザインが素敵な洋服だけでなく、着物の生地を使った小物入れやストラップ、ペンダントなど小さくてかわいい小物もいろいろあるのでじっくりと品定め。
ちなみに我が「狐の足あと」にも、LBさん制作の家具やaprさんデザインの足湯衣装が置いてあります。要チェックですよ!!
■一の坂川=京都の鴨川?!
さて、大殿大路のお店をのぞいた後は、サクラやホタルの名所である一の坂川へ。山口随一の桜並木が続く両岸の道は、車は一方通行なのでご注意を!!
一の坂川沿いのエリアには、昔のままのたたずまいのお醤油屋さんや喫茶店、古い建物をリノベーションしたブックカフェ、ドイツ風焼き菓子のお店などが点在。あちこち訪ねながらまち歩きが楽しめます。そして、一の坂界隈のまち歩きには、大路ロビーの「おさんぽマップ」がとってもお役立ちですよ!!
そんな一の坂川沿いに、旅館の一角を利用して2015年にオープンしたのが徳地和紙のお店「風伝(ことづて)」。
山口の中山間地域・徳地で漉かれている和紙やその和紙を使ったオシャレなクラフト品を置いています。和紙のぬくもりとしなやかさに感嘆。徳地和紙を使った人形の美しいたたずまいにも心ひかれます。和紙や布を染める自然素材の染料も置いてあります。木・金・土と第1日曜日だけの営業ですが、ぜひ訪ねてみたいところ。
「狐の足あと」にも徳地和紙をつかったものがあります…それは、光が優しくなる和紙製のランプシェード。どこにあるかは、探してみてみてくださいね。
まち歩きを楽しんだ後は、レンタサイクルをクリエイティブスペース赤れんがに返却し、西京橋バス停のある「一の坂川交通交流広場」へ。
湯田温泉へ帰るバスに乗る前にここの休憩所でちょっと一休み・・・あっ、まち歩きマップのパネルが壁に・・・よし、今日のお散歩内容をちょっとチェックしてみるか。
ココは行ったし、ここも見た・・・このカフェ、ちょっと素敵な感じ。よし、今度はココにお茶しに行こう!! あっ、おいしそうなスイーツやコロッケのお店もあるみたい。次回のお楽しみにメモしておこう!!
そうそう。以前、このおさんぽブログでも紹介しましたが、「一の坂川交通交流広場」では毎月1回、朝市「マルシェ一の坂」を開催中。おいしいものが集まってますよー。
さて、「西京橋」バス停から湯田温泉へ戻りましょう。
西の京 山口 歴史香る街並み巡り(その1)
天花〜竪小路散策 編
■格調高い料亭建物で見惚れる
県庁前バス停から萩・津和野方面へ向かって徒歩約10分のところにある山口市菜香亭。
明治時代から平成の世まで料亭だった建物がそのままの形で移築されたもので、この建物そのものが魅力的! 建具や調度品も昔の丁寧な仕事が感じられるりっぱなもの。思わずためいきが出ちゃいます。
そして百畳の大広間をはじめ館内にかかる数々の篇額! 山口県ゆかりの政治家や実業家、文人たちの手によるもので、三条実美、木戸孝允、井上馨、伊藤博文、佐藤栄作・・・・。そうそうたる顔ぶれです。昔の人は字がじょうず! 文言からも教養の高さが伺えます。
土日の午後なら、ここでお抹茶とおまんじゅうがいただけます(一席400円)。また、このお座敷をはじめ菜香亭の各部屋は、予約すれば貸室利用ができるんです。お部屋を借りてゆっくり鑑賞や休憩をしたり、ケータリングサービスもあるので歴史ある建物での優雅なランチタイムを楽しめたりもしますよ。
さて、磨き上げられてつやっつやの板の間に置かれたガラスケースがミュージアムグッズコーナー。菜香亭にちなんだストラップや根付けは山口市在住ガラス作家さんの手によるオリジナル。料亭を切り盛りしていたおごうさま(山口弁で良家の奥様のこと。転じて菜香亭の名物女将・斉藤清子さんの愛称)の似顔絵が愛らしい。
ちなみに人気ナンバーワンは菜香亭が所蔵する扁額の写真と解説を載せた図録だそうです。
そして、ここから大殿界隈を巡るならレンタサイクルの利用がお薦め。このあたり、ゆる~い起伏がある土地なので、脚力に自信のない方は電動機付きで。車だと躊躇しちしゃいそうな狭い路地なども、自転車だとスイスイ巡れるので楽しいですよ。
この借りるレンタサイクル、返却はここ山口市菜香亭と山口ふるさと伝承総合センター、それにクリエイティブスペース赤れんがの3施設であればどこでも返却することもできるので便利です。
※レンタサイクルの乗り降り自由の3施設の位置は、こちらの地図をご参照ください。
■中世のままの道筋がのこる街並みを巡る
山口市菜香亭から八坂神社のそばを通りすぎて竪小路エリアへ。竪小路という通りは一の坂川とほぼ平行に通っています。このあたり、昔、京の街を模して街づくりをした大内のお殿様は一の坂川を鴨川に見立てたんだそうです。
中世室町時代、山口が西の京と呼ばれた頃の名残りで通りに「伊勢大路」とか「大殿大路」とか「錦小路」とかの名がついていたり、一の坂川にかかる橋にも「伊勢橋」「春日橋」「琴水橋」など風流な名前がついているんです。そんな名前を探しながら歩くのも楽しいかも。
下竪小路に面した山口ふるさと伝承総合センター「まなび館」は古い造り酒屋を改装して、山口の伝統工芸品や一の坂川に放つゲンジボタルの人工飼育を紹介しています。館内は無料で見学できますので、古い建物の内部やお庭などをぜひ、見学していってみてくださいね。
「たくみ館」ではガラス越しに大内塗制作を見学できます。予約をすれば大内塗の箸づくり体験もできます。
さて、山口の国宝 瑠璃光寺五重塔の屋根は、桧皮葺といって桧の皮の材を少しずつずらして重ねて竹釘で留めていく工法で作られていますが、ここ「たくみ館」玄関前でその桧皮葺を間近に見ることができます。山口市には県内で唯一の桧皮葺職人さんがいらっしゃるんだそうです。
山口ふるさと伝承総合センターと道を挟んで向かい、大きな屋根がひときわ目立つ龍福寺は大内のお殿様の館があったところ。
建物は室町時代の代表的な寺院建築なんだそうです。境内は緑やお花がきれい。静かだし季節のお花が楽しめるし、いいなあ。
さて、大内文化&歴史探訪(?!)を楽しんだ後は、ちょっと新しいスポットへご案内。
ということで、この続きは part2 大殿大路〜一の坂川散策編 でご紹介しまーす。