山口市観光周遊バスに揺られて市内めぐり③
画聖・雪舟が築庭!新緑、紅葉、雪景色に映える回遊式庭園
バスは国道から離れ、少し奥まった場所にある雪舟庭前バス停へ。ここには元々、大内政弘(守護大名大内氏第29代)の別邸があり、山口に滞在していた雪舟に築庭を依頼したと伝えられています。
▲常栄寺山門。かつて、この場所には大内政弘の別邸があった
▲寺の北側に広がる「雪舟庭」。枯山水を用いた回遊式庭園となっている
街並みのモデルは京の都!大内文化の中心地・大殿エリアを散策
周遊バスのルートは再び市街地へと向かいます。次のバス停は「八坂神社前」。現在、竪小路(たてこうじ)と呼ばれるこの通りは、大内弘世(守護大名大内氏第24代)による、“京の都を模したまちづくり”の中で生まれます。
一帯は「大路(おおじ)・小路(しょうじ)」と呼ばれる路地が、京都さながら碁盤の目のように張りめぐらされています。古い町屋も数多く残り、そぞろ歩きが楽しいエリアでもあります。
▲ひとまずは八坂神社へお参り。すぐ隣に並ぶ築山神社とともに、境内にはかつて大内氏の別邸「築山館」があった
▲竪小路は、江戸時代になると萩と三田尻(現在の防府)を結ぶ主要街道「萩往還」を担った
付近には大内氏ゆかりの史跡、さらには明治維新ゆかりの史跡が多数点在しています。周辺の情報収集をするなら、八坂神社前のバス停から徒歩5分ほどの場所にある「大路ロビー」がおすすめです。
▲かつて文具店だった町家に入居する「大路ロビー」。トイレなど休憩スポットとしても便利
大路ロビーから徒歩3分の場所にある龍福寺は、かつての大内氏館跡です。発掘された遺構から、池泉庭園や西門が再現されるなど、その栄華の一端を垣間見ることができます。
▲瑠璃光寺五重塔と同じ「檜皮葺」の龍福寺本堂
▲参道はモミジのトンネル。近年、紅葉スポットとして人気急上昇中。見頃は11月中旬以降
さらに、大路ロビーに隣接する「十朋亭維新館」は9月29日にオープンしたばかりの新スポットです。幕末にかけて、この地には醤油醸造を営んでいた豪商・萬代家がありました。
▲オープンしたばかりの「十朋亭維新館」。向かって左手の建物が本館、右手が萬代家離れ「十朋亭」
その離れ「十朋亭」は、藩庁が山口に移された際、藩士の宿舎として使用され、久坂玄瑞ら多くの志士たちが起居したと伝えられています。「十朋亭維新館」は縁のある志士たちを、貴重な歴史資料とともに紹介する施設で、ARやプロジェクションマッピングなど、趣向を凝らした展示が目玉です。
▲本館内の展示物も見応え十分。手前の立体地図はプロジェクションマッピングによるもの
ここからは、八坂神社前に戻るのではなく、すぐ近くを流れる一の坂川に沿ってさらに散策を楽しみましょう。桜の名所ですが、いつ訪れても川の流れに心が癒されます。川沿いに歩けば、程なくして西京橋のバス停へ。
▲秋の一の坂川では桜並木の紅葉が楽しめる
終点・湯田温泉バス停まではあっという間。あちこち歩き回った後の足湯はきっと格別です。周遊バスでの山口めぐりの締めくくりに「狐の足あと」にもぜひお立ち寄りください!
▲カフェメニューを堪能しながら、湯田温泉のお湯を堪能すべし!